「できれば目立たないマウスピースで矯正したい」
「マウスピースなら夜だけつければいいですか?」
矯正相談では、このようなご質問をいただくことがあります。
ただ、「マウスピース矯正」という言葉は少し分かりにくく、実際には性質の異なる装置が同じような名前で呼ばれています。
代表的なのが、インビザラインなどに代表されるアライナー型矯正装置と、小児矯正などで使用される既製品のマウスピース型装置です。
どちらも見た目は「マウスピース」ですが、目的も使い方も大きく異なります。
今回は、この違いを整理したうえで、主にアライナー型矯正装置が向いている人・適さないことがあるケースについて解説します。

「マウスピース矯正」には異なる種類があります
一般的に「マウスピース矯正」と呼ばれるものには、大きく分けて2つのタイプがあります。
アライナー型矯正装置
インビザラインなどに代表される方法です。
患者さん一人ひとりの歯並びに合わせて複数枚の透明な装置を作製し、順番に交換しながら少しずつ歯を動かしていきます。
歯そのものを計画的に移動させることが目的で、成人矯正を中心に広く使用されています。
基本的には食事と歯磨き以外の時間は装着する必要があり、一般的には1日20~22時間程度の装着が必要です。
そのため、「夜だけ装着すればよい」という治療方法ではありません。
小児矯正で使用する既製品のマウスピース型装置
一方、成長期のお子さんに使用されるマイオブレースやプレオルソ、T4Kなどは、一般的なアライナー型矯正装置とは考え方が異なります。
このような装置は、既製品のマウスピースを使用し、口唇や舌などの使い方、口腔周囲の筋肉、顎の成長などに働きかけることを目的とするものがあります。
装置によって使用方法は異なりますが、日中の一定時間と就寝時などに使用するタイプもあります。
このため、
「子どものマウスピースは夜につけていたから、インビザラインも夜だけでいいのでは?」
と混同されることがありますが、この2つは目的も使用時間も異なる装置です。
「マウスピース」という形だけではなく、何を目的として使う装置なのかを理解することが大切です。
アライナー型矯正装置が向いている人
1.装置の見た目をできるだけ目立たせたくない人
透明な装置のため、治療中の見た目を重視される方には選択肢になりやすい方法です。
ただし、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を付けたり、症例によってはゴムを使用したりするため、完全に何も見えないわけではありません。
2.装着時間をきちんと守れる人
アライナー型矯正では、一般的に1日20~22時間程度の装着が必要です。
食事や歯磨き以外はほぼ装着した状態で生活することになります。
装着時間が不足すると、計画どおりに歯が動かず、マウスピースが歯に合わなくなってくることがあります。
そのため、交換日や装着時間まで含めて自己管理できる方に向いています。
3.食事や歯磨きのときに装置を外したい人
アライナーはご自身で取り外せるため、食事の際には装置を外せます。
また、歯磨きのときにも取り外せるため、固定式のワイヤー矯正と比べると普段に近い方法で歯を磨くことができます。
ただし、食後に歯を磨かずに装着すると、糖分や汚れが歯の周囲に残りやすくなるため注意が必要です。
矯正中の歯磨きについては、「矯正中に虫歯を防ぐには?」でも解説しています。
アライナー型矯正が適さないことがあるケース
1.歯を大きく動かす必要がある場合
アライナーでもさまざまな歯の移動が可能ですが、どのような動きでも同じように得意というわけではありません。
歯根を大きく移動させる場合や、歯の角度を大きく変える場合、抜歯後の大きなスペースを閉じる場合などでは、計画と実際の歯の動きに差が生じることがあります。
症例によっては、ワイヤー矯正の方が歯の動きをコントロールしやすいことがあります。
ワイヤー矯正とアライナー矯正の違いについては、「ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違い」も参考にしてください。
2.噛み合わせや顎の骨格に大きな問題がある場合
出っ歯、受け口、開咬などは、見た目が似ていても原因はさまざまです。
歯の傾きが主な原因の場合もあれば、上下の顎の位置関係など骨格的な問題が大きく関係している場合もあります。
骨格的な問題が強い場合には、歯を並べるだけでは十分な改善が難しいことがあります。
そのため、「マウスピースでできるかどうか」だけを見るのではなく、まず現在の歯並びや噛み合わせの原因を診断することが重要です。
3.装着時間の管理が難しい場合
取り外しができることはアライナー矯正のメリットですが、同時に注意点でもあります。
学校や仕事、外食の際に外したままになることが多い方では、十分な装着時間を確保できないことがあります。
「取り外せる=楽」というわけではなく、むしろ自己管理が治療結果に大きく影響する装置です。
「マウスピースを使いたい」だけで治療方法を決めないことが大切です
矯正治療では、装置は治療のゴールへ到達するための手段です。
例えば旅行でも、まず目的地を決め、その後に電車・車・飛行機など適した移動方法を選びます。
矯正治療も同じで、最初に現在の歯並びや骨格を診断し、どこまで歯を動かすのかという治療目標を決め、その目標に適した装置を選ぶことが大切です。
「透明な装置がよいからアライナー」
「子どもだからマウスピース」
というように、装置から治療方法を決めるものではありません。
医院選びについては、「矯正歯科はどう選ぶ?医院選びで確認したいポイント」でも詳しく解説しています。
まとめ
「マウスピース矯正」という言葉には、性質の異なる装置が含まれています。
インビザラインなどのアライナー型矯正装置は、一人ひとりの歯並びに合わせた装置を交換しながら、歯を計画的に移動させる治療方法です。基本的には1日20~22時間程度の装着が必要で、夜だけ装着する治療ではありません。
一方、小児矯正で使用される既製品のマウスピース型装置には、口腔周囲の筋肉や顎の成長などに働きかけることを目的とするものがあり、使用方法も異なります。
同じ「マウスピース」という形でも、治療の目的は同じではありません。
犬山市のいぬやま矯正歯科では、装置の希望だけで治療方法を決めるのではなく、歯並び・噛み合わせ・歯根・顎の骨格を確認したうえで、治療目標に合った方法をご提案しています。
犬山市をはじめ、扶桑町・大口町・江南市・各務原市など周辺地域で矯正治療をご検討の方も、まずはお気軽にご相談ください。

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